この夏、私は初めて内観研修に参加させて
いただきました。八月一二日の午後、父と母に先生のお宅まで送っていただき、少し経って両親が帰ってから、私は、不安と緊張でいっぱいになってしまいました。又、家族とこれだけの期間離れたことのない私にとって正直この8日間、両親や兄に逢いたい、今すぐ逢いたい気持ちでつらく感じてしまうことが時々ありました。けれどよく考えると、自分がどれだけ両親や兄がそばにいてくださることが幸せでホッとすることができていたかをその事により、知ることが出来ました。そんな、一番感謝しなければならない家族に対し、私は今まで、冷たい態度で接したり自分勝手なことばかりをしてきていました。両親がたくさんの愛で私をここまで育ててきてくださり、兄が、いつも私のことを気にかけてくれてていたことに感謝をすることができていませんでした。だから中学に入学してから、つらい事、悲しいことが続いてしまいました。しかし、今回8日間、内観をさせて頂いたことにより、自分がどれだけのことをしていただいたかを知り、少しも感謝をすることができていなかった事をとても申し訳なく思いました。私がこうして今、幸せに生活することができているのも、母が苦しい思いをして私を生んでくださり、父が毎朝早く起き、私達の為に働いてくださり、兄が一緒に遊んでくれたり、私のことを心配し、又、気使って下さっているからです。母は、幼い時から、とても神経質な私をいつも気にかけて下さり、つらい時、悲しい時いつも前向きに笑顔ではげましてくださっていました。又、中学2年になったばかりの時自分がまいた種で結果的に自分がつらい思いをすることになり、学校を早退した時も、母は私を責めることもなく、本当に私を心配し、一緒にネパールに行こうと言って下さったのですが、その時私は母の気持ちに感謝することができずに、誰の為に言ってくださってるのかを考えられなかった為に、勉強や部活の事も忘れ、行かしてもらおうと、いう気持ちになれず、本当に大事なことから目をそらし、友達に遅れたらやだ、などというわがままを出した為に、迷い、結局は、行くことができませんでした。しかし、そんな私にも母は、ネパールに行けなかったからといって、私の好きな、京都に旅行に行こうと言って下さいました。そして、私を励まそうと沢山のお金を出して下さり、私の行きたい所に連れていってくれました、又旅行に行く前には自分は、家にある洋服を着ても、私には新しい洋服を買って下さいました。そういった母の一つ一つの、私を思ってくださる気持ちを考えると、胸が一杯になり、この事だけでなく、本当に、思い出しても思い出せないくらいの事をして下さっているのにそれに対して、感謝ができずに、作ってもらった料理に対し文句を言い、出された洋服に対し、文句を言い、私を思って注意をし、怒って下さった事に対しても腹を立てていた自分を、本当に情けなく感じたと同時に、母に逢いたい気持ちでいっぱいになりました。そしてどんなに私が生意気な態度をとり、母を傷つけた時も、私をゆるし、私を愛して下さっている母を大切にし、母が喜んでくれることをさせて頂きたいと思いました。
父についての内観では、父にして頂いた事を思い出すたび、自分の事を心から可愛がって下さり、どんなに大切にしてもらっているかを感じました。父は自分も子供になりきって、いつも私を楽しませてくれていました。又、小学校の一年生の時の内観では、父にお風呂に入れてもらっていたことを思い出しました。頭を洗ってもらっている時、父は自分の太ももの所に、私の頭をおき、寝た状態で洗ってくれました。そして「かゆい所はないか?」と聞いたりして下さり、湯船の中では、「学校はどうだった?」などと聞きながら、タオルで風船を作るなどして、私を楽しませて下さいました。お風呂場には父の愛がいっぱいで、その愛に囲まれていた私は、とても、安心した幸せな気持ちでした。しかし、こんなに私を愛して下さっている父に対して、私は、小学校5、6年の頃から、父を避けるようになり、平気で傷つく事を言ってきました。こんなに可愛がって頂いているのに、冷たくされる父の気持ちを考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいになり涙が止まりませんでした。それでも父は、私に、優しくして下さり、決して憎んだりすることは、ありませんでした。そんな私を、許して下さった父、本当に優しい父を、二度と悲しませたくないと思うと同時に、ずっと感謝の気持ちを持ち続けたいと思いました。そして、私は父の娘で本当によかったです。
次に兄についての内観をさせて頂きました。
私の兄は、少し恥ずかしがり屋な所があるため、口に出す事は少ないのですが、心の中でいつも、私の事を気にして下さっていました。特に、勉強に関しては、自分の大学受験の事で大変な時であっても、私の為に、テキストを買ってきて下さったり、私が理解するまで、ていねいに分からない所を教えて下さいました。そんな優しい兄に対しても私は、兄を兄とも思わぬ発言をしたり、生意気な行動ばかりをとっていました。その証拠に小学校中学年ぐらいまでは、兄を呼びすてにしていました。又、けんかも耐えなかったのですが、ほとんどの場合、怒られるのは、「お兄ちゃんなんだから」という理由で兄でした。けれど兄は、納得できなかったり、悔しい思いをしても私と遊んでくれてました。なのに、私は、いつも、いやがらせをされているという気持ちでいました。兄は、こんな妹らしさもない私を、可愛がって下さっていました。又、兄に対する自分について調べさせて頂く時に、自分はいつも兄と自分を比較して、自分のもらった物や、食べ物が少しでも少ないと、文句を言ってしまいました。その比較ぐせが、学校生活でも、相手と自分を比較してしまい、劣等感を感じ、その相手をねたんだりしていました。そして、逆の時は、相手より優ていると優越感を感じ、友達を見下していました。そして、イメージトレーニングの後の座談会で先生が、比較をすることについて話して下さり、これからは、人は人、自分は自分という考え方で、人を見下したりしないようにしなければいけないと感じました。世界にたった一人の兄に対して感謝する事を忘れずに、大切にしていきたいです。私は、初めて家族についての自分を調べさせて頂き、自分がいかに勝手で、家族に対しても冷たかったかを、気付かせて頂きました。それでも家族は、私を許して、優しく接して下さいました。その事をいつも忘れずにいたいです。そして、温かい家族に囲まれて、沢山の優しさ、愛を頂いている事がどれだけ幸せな事かを、いつも感じていたいです。
そして、嘘や盗み、殺生などについても調べさせて頂きました。私は今まで、自分を守ろうとし、沢山の嘘をついてきてしまいました。しかし、自分が人から良く思われたい為に、嘘をつくことで、どれだけ自分自身を汚し、傷つけてきたかを知り、これ以上、絶対に自分自身を汚したくないと思いました。また、先生に頭をポンポンとたたいて頂き、その時見せて頂いた内容を聞いてくださった時に、「あなたには、あなたを守ってくださる家族がいるのだから、もう嘘をついてはいけないよ。」と、言って下さいました。そのお言葉をいつも胸に、同じ過ちを二度と繰り返さないようにしたいとおもいます。
今回の内観研修で、計算の苦手な私にとって、正直少し大変だったのが「生まれてから現在までに両親に出して頂いた、お金の計算」でした。私の為に、本当に沢山のお金を出してくださっているということを知りました。だから、これからは、物を大切にし、お手伝いもし、何より、私を心から大切に思って、ここまでしていただいた、気持ちに感謝して行きたいです。
私は、今回内観をさせていただき、本当によかったと思っています。家に帰れば、温かい家族が、迎えてくださることが、どれだけ幸せかを、気づかせていただきました。今まで私は、家族の大切さをわかっていませんでした。しかし、この8日間を通して、家族の大切さ、自分の幸せに、気付かせていただきました。そして、今は不思議と、学校が楽しいです。友達も増えました。何より、前向きな気持ちがもてます。これも、優しくお声をかけてくださり、話を聞いてくださった先生、毎回おいしいご飯を作って下さった奥様のお陰です。本当に、ありがとうございました。これからは、家族を始め、友達、私を支えて下さっている人々、命をくださっている動植物に感謝の気持ちを忘れずに、大切にしたいです。
内観研修から2週間ぐらい経ったある日、こんなことがありました。雨が降っていた日の学校の帰り道、里芋の畑が目にとまりました。その時6年生の頃の、担任の先生の話を思い出しました。「里芋の大きな葉は、葉にたまった雨水を、お互いかけ合っているんだよ」。少しの間立ち止まってその大きな、大きな葉を見ていました。そして、ハッとしました。あの葉は、人で、雨水は、幸せなんじゃないかなと。幸せがあると、(雨水があると)それを人に分けられるんだと。そして、分けるとまた、次の幸せがやってくる。(また、雨水がたまる。)先生に、たらいのお話、循環の法則のお話などをしていただいたことがあったのですが、それを目の前で里芋の葉から、見せていただき、すごく感動しました。だから、家族や友達に対して、思いやりの気持ちで接するためにも、しっかりと、日常内観をしていきたいとおもいました。長くなってしまいましたが、先生、奥様、8日間お世話になった皆様、そして、大好きな家族の皆様、素晴らしい体験を本当にありがとうございました。