は、ほぼ50年ほど前に、吉本伊信氏が、「身調べ」と呼ばれていた自己洞察法をもとにして創始した、純日本的、かつ極めて効率の高い合理的な自己改善法であります。広い意味で心理療法の一種とみることもでき、実際に、さまざまな心や行動の障害に苦しんでいる人々が短期間で顕著な回復を示した例は数え切れないほどです。夫婦関係、非行、心身症等にも成果をあげています。
自分の過去の思い出を、特定の身近の人々との関係の中から、組織的に順序だてて、徹底的に調べて行くだけで、それまでの、自分や他人についての見方、感じ方が、大転換してしまうのは驚くほどです。しかもこの変化は、決して第三者の暗示とか、指示によって起こるのではなく、あくまでも内観者自身の意志によって実行された行動によるのです。その方法を深く検討していくと、これがどんなに理にかなったやり方であり、変化が起こるべくして起こるかが、納得されるはずです。
学習院大学心理学 村瀬孝雄教授
―1984年朝日カルチャーセンター講座よりー
☆ 研修の目的
自分を生かそうとしてくださった方々の愛のおかげ。
この愛を、心いっぱいに満たすことによって、愛は、ほとばしり出ます。
自分はどんなに我がままに生きてきたか。
また、どんなに迷惑をかけて生きてきたかを
知ることによって、他を許す心ができます。
全て一ツ。大きなエネルギーの中に生きる仲間です。
互いに奉仕させていただくの心で
よろこび感謝を!
私が、「内観」という言葉を聞いたのは、少年院などでの更正プログラムに利用されているという程度のものでした。具体的な内容などは全く知りませんでした。私は、教師をしていますが、「内観」とは少年院に入らなければいけなくなった少年・少女たちだけが行う特別なものと思っていたのです。
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この夏、私は初めて内観研修に参加させて いただきました。八月一二日の午後、父と母に先生のお宅まで送っていただき、少し経って両親が帰ってから、私は、不安と緊張でいっぱいになってしまいました。又、家族とこれだけの期間離れたことのない私にとって正直この8日間、両親や兄に逢いたい、今すぐ逢いたい気持ちでつらく感じてしまうことが時々ありました。けれどよく考えると、自分がどれだけ両親や兄がそばにいてくださることが幸せでホッとすることができていたかをその事により、知ることが出来ました。そんな、一番感謝しなければならない家族に対し、私は今まで、冷たい態度で接したり自分勝手なことばかりをしてきていました。両親がたくさんの愛で私をここまで育ててきてくださり、兄が、いつも私のことを気にかけてくれてていたことに感謝をすることができていませんでした。だから中学に入学してから、つらい事、悲しいことが続いてしまいました。しかし、今回8日間、内観をさせて頂いたことにより、自分がどれだけのことをしていただいたかを知り、少しも感謝をすることができていなかった事をとても申し訳なく思いました。私がこうして今、幸せに生活することができているのも、母が苦しい思いをして私を生んでくださり、父が毎朝早く起き、私達の為に働いてくださり、兄が一緒に遊んでくれたり、私のことを心配し、又、気使って下さっているからです。
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